玄奘三蔵

げんじょうさんぞう


般若心経の漢訳をした
孫悟空の活躍などでお馴染みの『西遊記』に
三蔵法師として登場する僧と同一人物」



玄奘がインドに行く途中、益州の空恵まで来た時病気で苦しんでいる一人のインド僧に
出会った。玄奘はこのインド僧を親切に看病し、治してやった。
インド僧は、玄奘がこれから天山山脈を超え、タクラマカン砂漠を超えて陸路シルクロ−ド、インド
に仏経経典を取りに行くのだと知ると、玄奘に般若心経という短いお経を教えてくれ、これを唱え
ながら行けば災厄にもあわず、病気にかかることもないと教えてくれた。玄奘はこのお経を唱えな
がら辛苦に満ちた旅を続けた。そのあいだ彼は「心経」を、あの「真言」を常に口に唱えていた。
「ガテ−ガテ−、パ−ラガテ−、パ−ラサンガテ−、ボ−ディ、スヴァ−ハ−」と唱え続けてやっと
の思いで中インドのナ−ランダ−寺院に着いてみると、なんとそこに益州で会ったインド僧がいる
ではないか。驚く玄奘に向かってその僧は、「私は観自在菩薩である」と言って姿を消したという
玄奘は生涯、般若心経を大切にしたがそれは、経典の文句の意義深さと共に、経典そのものの
持つ霊的な力にひかれていたと考えられる。
玄奘によって般若心経のすばらしい訳文は、朝鮮半島から日本に伝来した。
日本の法隆寺に、世界最古の梵語の写本があり西暦609年(推古天皇17年)に中国から伝来し
たものだといわれている。
釈尊が成道(悟り)の瞬間に
「山川草木悉く仏性(悟りの素質)あり」と言ったという。
生きとし生きるものに限らず、山、川、草、木、その他のすべてのものに仏性があるという。
私たちは今こそ人間中心の過ぎ足るを見直して自然と共に生きることを,問いつつ
答えを見つける旅に行こうではないでしょうか。
写経の功徳とは
最澄は、「般若心経開題」という般若心経の解説書に「繕写の志」を揚げている。
繕写とは写経のことを言う。
古来、心経は声に出して読むだけでも功徳があるが一字、一字、心を込めて書写す
ればその功徳はさらにいっそう深甚なるものがあると言う。


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